働き方ラボ

三井物産の新社屋を訪問 オフィスのメリットを再確認した (3/3ページ)

常見陽平
常見陽平

 人との接点が減少…「ぶらぶらする」ことの重要性

 ふと今回の訪問を通じて、最近の自分に足りていなかったことに気づいた。それは「ぶらぶらする」ということである。ぶらぶらしていて、何かを発見したり、人と会ったりする機会だ。このぶらぶらする場所は、別に会社の中だけではない。街をぶらぶらするなどをして、モノやコト、ヒトとの偶発的な出会いを実現する。新型コロナウイルスショックにより出歩く機会がそもそも減っていた。人とのリアルな接点を避けるようになっていた。とはいえ、オンライン中心となり、ぶらぶらする機会が減ってしまった。

 先日、勤務先の大学で、トークイベントを開催した。ジャーナリスト古田大輔さん、コラムニスト河崎環さん、おもちゃ開発者高橋晋平さん、社会起業家税所篤快さん、さらに私と学生というメンバーだった。登壇者への事前インタビュー、さらには当日の議論でも、「ネットでぶらぶらすること」が話題となった。オンラインの時代となり、気をつけなくては一人になってしまう。適切な距離を保ちつつ、ネット上でぶらぶらし、様々な人の話を聞くこと、さらにはZOOMなどを活用し、離れて住む友人・知人との接点を意識的につくることが大切だと再認識した次第だ。

 オフィス不要論は安易である。いつの間にか、オフィスが果たしていた役割を忘れていないか。オフィスの再検討は必要だが、その意義を確認しつつ、オフィスに毎日通っていた頃に実現できていたことをいかに補うか。あの頃以上の何かをどのように生み出すのか。ゆるりと考えよう。

常見陽平(つねみ・ようへい)
常見陽平(つねみ・ようへい) 千葉商科大学国際教養学部准教授
働き方評論家 いしかわUIターン応援団長
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部准教授。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演に没頭中。主な著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など。

【働き方ラボ】は働き方評論家の常見陽平さんが「仕事・キャリア」をテーマに、上昇志向のビジネスパーソンが今の時代を生き抜くために必要な知識やテクニックを紹介する連載コラムです。更新は原則隔週木曜日。アーカイブはこちら

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