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リクルートは“Amazon”になりたい 「元気な営業人材」輩出企業からの大転換 (1/2ページ)

苅野進
苅野進

 株式会社リクルートホールディングス(HD)の社長が45歳の出木場久征氏になるという発表がありました。前任の峰岸真澄氏は48歳、その前の柏木斉氏は46歳での就任でしたので、創業60年を超え、2兆円の売り上げを誇る大企業としては相変わらずの若々しさです。

 出木場氏はIndeed(インディード)の買収とその後の経営でご活躍されていて、副社長からの昇格です。

 Indeedは皆さんも「仕事探しはIndeed♪」のCMでご存知なのではないでしょうか? 「仕事情報を提供する」というリクルートのイメージにはぴったりと思われがちなIndeedの買収ですが、実はこの事業はリクルートという企業のイメージを大きく変えていくものになりつつあります。

 今回はリクルートの「HR(Human Resources/人材)」部門を見ていきたいと思います。

「営業に強いリクルート」で成長してきた広告事業

 Indeedがリクルートの一員だということをご存知ない方も多いのではないでしょうか。2012年に買収しています。

 リクルートの「メディアソリューション」事業のHR部門は、

  • リクナビ
  • リクナビNEXT(ネクスト)
  • タウンワーク
  • リクルートエージェント
  • フロム・エー ナビ

 といった求人サイトから成り立っています。

 これらのサイトには、求人情報が掲載されます。リクルートの有名な営業部隊は企業へと営業をかけて、求人広告を掲載してもらい、その充実度から多くの利用者を集めています。ほとんどの企業にはリクルートの営業マンが担当として訪問しているはずです。彼らの営業力の高さがリクルートの強さの源泉だと言われてきました。

 このリクルートの「広告事業」における営業力の強さは、「販促」の分野にも横展開され、結婚の「ゼクシィ」、旅行の「じゃらん」、住宅の「SUUMO(スーモ)」、飲食の「ホットペッパーグルメ」、美容の「Hot Pepper Beauty(ホットペッパービューティ)といったサイト運営にも生かされています。

Indeedは「求人サイト」ではない

 このような状況の中で、リクルートHDが新たに「仕事探しはIndeed」というサイト・アプリを始めたわけです。CMを見ている皆さんにとっては「新しい求人サイトだな」という認識でしょうが、このIndeedという事業はこれまでとは全く違います。

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