調査アンケートには部下に当たる3人以上が匿名で回答し、集計後のフィードバックレポートを対象となる上司本人が受け取ります。全部で13の項目に対して、「非常にそう思う」が5、「まったくそう思わない」が1、で、5段階のうち当てはまるものを回答するのです。
具体的な13項目は、以下の通りです。
- マネジャーとして他の人に推薦できる
- 能力を伸ばせる機会を与えて、キャリア開発をサポートしてくれる
- チームに明確な目標を伝えている
- 具体的にアクションできるフィードバックを定期的に提供してくれる
- 仕事に関して自主性を尊重してくれる(マイクロマネジメントをしない)
- 1人の人間として常に思いやりを示してくれる
- 困難な状況においてもチームが最優先の仕事に集中できるように取り計らってくれる(他のプロジェクトを断ったり、優先順位を下げたりすることが必要となる時など)
- 上層部からの重要な情報を随時伝えてくれる
- 過去半年の間に、自分のキャリア形成について有意義な話し合いの場を設けてくれた
- 部下を効果的にマネジメントするための専門知識(技術的知識、セールスの知識、経理の知識など)を有している
- マネジャーとの間で意見の相違があったとしても、自分の意見を尊重してくれていることが行動から伝わる
- 困難な状況においても優れた意思決定を行える(複数のチームに関連したり、関係者間での優先順位が異なったりしている状況など)
- チームや組織の枠を超えたコラボレーションを効率よく行える
(Google re:Work ガイド「マネージャーにフィードバックを提供する」より)
“グーグル流”優れたマネジャーへのPDCAを回す
いかがでしょう? 「結構できてるな」と思われましたか? 「いやいや、こんなこと、できる人いたら超人でしょ!」と思われました? 大切だとは分かっていても、なかなか実際にはできていないなという上司の皆さんが多いのではないかと思います。
このサーベイが上司のどのようなことを見ているのかを理解できれば、あなたも生産性高いチームとメンバーを生み出す優れたマネジャーになれるはずです。
以下、私なりに13項目を整理してみますと、
・3,7,8,12→仕事に意味を見出してあげる
・6,10,13→協働、承認を与える
・5,11→心理的安全性を確保する
・2,4,9→キャリア、成長を支援する
というようなことになるかと思います。これができれば、あなたのチームは最高のコンディションとなり、チームメンバーたちの生産性はMAX高まるのです!
各項目は、優れたマネジャーの10の条件に紐ついています。
このフィードバックは上司の「評価」ではなく、あくまで「育成」が目的。部下からフィードバックを定期的に得ることで、何ができていて、何が不足しているのかをチェックし、改善を図るよう促すことで、マネジャーたちのレベルアップを実現しようとしているのですね。それが結果として、社内の各チームの生産性を上げ、メンバーたちの生産性をあげることにつながるわけです。
このサーベイは先ほどご紹介した「Google re:Work ガイド『マネージャーにフィードバックを提供する』」で、実際に使えるようにテンプレートが共有されています。よろしければ、皆さんの部下たちに<アップワード(上方)フィードバック>してもらってはいかがでしょうか?(笑)
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上司の皆さんが部下たちに「仕事に意味を見出してあげる」「心理的安全性を確保する」「キャリア、成長を支援する」「協働、承認を与える」ことが、ウィズコロナでも気力を創出し、いずれ来る<コロナ後>に向けてメンバーたちが主体的に取り組むためのモチベーション装置なのです。
【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら