自分の得意目録を持つことが生存確率を高める
中西:私は完全に「ならざるを得なかった」タイプのフリーランスで。企業で修行して貯金もしてから、よし独立するぞ!とフリーランスになった訳ではありません。ADHDの特性もあって計画を立てることは苦手だし、30代40代とどうしていけばいいのか、正直まだまったく想像がつかないのですが…。
竹熊:著書でも何人か紹介していますけどね、僕の知り合いで成功しているフリーランスというのは、大抵30代でベストセラーやなんらかの賞を受賞した作品といった「自分の代表作」を作っています。そうすると、だいたい10年は食べていけるようになるんじゃないかな。
中西:べ、ベストセラーですか。
竹熊:受賞までしなくともね、「この分野ならこの人」というような実力のあるフリーランスは、何かしらの代表作を持っていることが多いです。代表作をつくるためにも、自分の得手不得手を理解して好きなほうに振り切るということと、それに良い相棒を見つけること。僕らみたいなタイプのフリーランスは特に、自分をサポートしてくれる周囲の環境を整えることが大切なんだなと思いますよ。
中西:できないことを捨てる勇気も大切ですね。
竹熊:できないもんはできないからね。
中西:そこの見極め、難しいなぁ(笑)。
竹熊:あとは、中西さんのようにまだ若いフリーランスの方は、自分の得意領域の目録を作ってみたりするのもいいかもしれない。
中西:目録ですか?
竹熊:「これだけはそう簡単には人に負けないぞ」というキーワードを出していって、それを眺めて「これとこれを組み合わせたら何かできそうだな」みたいなことをね、考えるんです。もしも自分には突出した才能がない、となったら、周りの突出した才能がある人をサポートする側に行くのもいいと思います。
中西:確かに。私のように急にフリーランスになってしまった人も、一度改めて得意なことを整理してみるのはいいかもしれないですね。
竹熊:あとは繰り返しになるけど、いまいる環境が合わなかったり、対人コミュニケーションや仕事で「おかしいなぁ」と思うことが多い人は、自分のことを知るために心療内科や精神科で発達障害の診断をしてもらうのも手です。僕は診断を受けずに50年も回り道をしてしまって、もったいないことをしたなぁって思いますから。同じ失敗はせず、若いフリーランスの人たちは時間を有効に使うのがいいんじゃないかな。
中西:なるほど…! 今日のお話をまとめると、否応なくフリーランスにならざるを得なかった人のサバイバル術は、
・診断などを通じて、自分の得手不得手を知る
・得意領域の目録を作る
・相棒を見つける
・はやめに代表作を作る
ということがありそうですね。
自分で自分を把握して正しく扱っていくのは大事だなとここ数年思っていたのですが、今日のお話でやっぱりそうだよなぁと実感しました。
いただいたアドバイスを参考に、フリーランス人生をサバイブしていけるようになりたいです。竹熊さん、ありがとうございました!
(執筆:中西須瑞化 撮影:山中康司 編集:山中康司、Huuuu 提供元:Workship MAGAZINE『できないことは捨ててよし!会社が苦手なダメ人間へ贈る、フリーランスの生存戦略』)
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