社長を目指す方程式

誰でも実践できる「職場で好感を持たれる」ワザ 接近戦の重要性 (1/2ページ)

井上和幸
井上和幸

《今回の社長を目指す法則・方程式:「単純接触効果」》

 前々回、イマドキ若手への上司としての影響力の発揮方法についてご紹介しました。ところで、そもそも皆さんは、どのようなスタイルで日頃、周囲に対してご自身の影響力を発揮されていらっしゃるでしょうか?

 影響力の5つの源泉

 リーダーの影響力の源泉には、「すごい(専門性)」「すてき(魅力、人間性)」「ぶれない(一貫性)」「ありがたい(返報性)」「こわい(権威、厳格性)」の5つがあると言われています。

 <プロフェッショナルで、ルックス・雰囲気も良く、人格的にも優れており、いかなる時にも一貫した判断をし、何かあれば助けてくれて、しかし目の前でいい加減なことは絶対にできないという緊張感がある>

 こんな人が、絶大な影響力を持っているということになりますね。どうでしょう、皆さんの周りにこのような人はいらっしゃいますか? また、あなた自身はどれくらい該当しますか?

 一般的には、なかなかこの5つの源泉を完備している人はいませんね。努力だけではどうしようもないものも少なくありません。しかしこの中で、誰でも今日から実践できる簡単なことがあります。それは、自分からの働きかけで<「すてき」度>をUPさせることです。

 接触回数増→知っている度合い増→好意

 「え、<すてき度>こそ持って生まれたもので、努力ではどうしようもないものじゃないの?」。そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。解説しましょう。

 読者上司の皆さんにも、日頃長らく愛用している飲料、お菓子、シャンプーやコスメなどがあると思います。

 あなたが長らく慣れ親しんだ商品が、ブランドや中身は変わらないのにパッケージを変更されたとき、「なんだよ、前のほうがよかったのに」と思ったことはありませんか? 逆に、最初はあまり好きになれなかったCMソングやドラマの主題歌が、回数を経て聞けば聞くほど、どんどん好きになりハマったという経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

 人は、初見で好きでも嫌いでもない相手に対して、接触頻度が増せば増すほど好意が増すという心理があるのです。これが「単純接触効果」です。

 人は初めての相手、よく知らない相手との接触に対して心理的な負荷がかかります。これが苦手意識や「あまり好きではない」という感情を産みます。そこから接触回数が増すと、その相手に対する理解が進み(どういう人か、すでに知っている)心理的負荷が下がるため、それが相手への心理的障壁をどんどん低くし、逆に親しみへと変わっていくのです。

 これは先の愛用品の話の通り、人だけでなく、ものや音楽などに対しても同様の心理が起こることが分かっています。理屈がわかってみると納得。「ヘビーローテーション」というのはヒットのための王道なのですね。

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