ビジネストラブル撃退道

小山田圭吾氏の炎上は予想できた? 広告業界で高まる「身体検査」の重要性 (1/2ページ)

中川淳一郎
中川淳一郎

 東京五輪の開会式をめぐって、ミュージシャン・小山田圭吾氏の「過去のいじめ」が問題視され、同氏が辞任するほか、様々な関係者が辞任や解任に至りました。今、広告業界では「身体検査」の重要性が高まっています。

 過去の出来事がバッシングの根拠に…

 過去の不祥事やスキャンダルが一発出れば、それまでの準備が覆る状況になっているからこそ、組織・企業はCMキャラや専門家としての起用に慎重にならなくてはいけません。こうした状況の中、一つ大事になってくるのが「ネットオタク」の存在です。

 匿名掲示板「5ちゃんねる」をはじめ、ネットを日々見続けている人間は、「これは炎上案件だ」という勘がけっこう当たるものです。小山田氏についていえば、私はその名前が出た瞬間に「あっちゃー、こりゃ炎上待ったなしだ……」とすぐに思いました。

 不思議なもので、ネットではとある名前を見ると、それに関連したキーワードが付随し、バッシングの根拠になっていくのです。たとえば、元モデルの木下優樹菜さんであれば「タピオカ恫喝」、競泳男子の瀬戸大也選手であれば「不倫」といった形で、延々とその話題が取沙汰されてしまうのです。私自身も、何らかの形で名前が出た時、必ず「泥酔してTBSラジオで暴言」というネタが取沙汰され、毎度叩かれます。

 「ネットオタク」の力で炎上を回避

 そうした状況下で、広告や広報の業務に携わる人々は戦々恐々としながら自社で採用する人物の“不祥事”を探すことになります。そんなときに力を発揮するのが「ネットオタク」なのです。

 彼らは、とある名前を見るだけでネットがどのように反応するかが瞬時に分かります。そして、その予想は大抵当たるものです。ネットが大好きな人々はこれまで「日陰者」のような扱いを受けてきましたが、昨今のような状況でこそ、彼らの知見が活用されるべきなのです。それこそ「この企画が炎上するかどうか」さえ高い精度で予想できるわけですから、大した能力です。

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