ビジネストラブル撃退道

「来ないでくれ」コロナで地方に行けない営業マンの憂鬱 “代替案”の重要性 (1/2ページ)

中川淳一郎
中川淳一郎

 先日、浄水器の営業マンと喋っていたところ、彼はこう言いました。「僕は大阪支社勤務で、大阪以西の兵庫から山口までが担当エリアです。神戸や姫路、岡山、広島はまだしも、それ以外の小さな都市のお客さんからは『来ないでくれ』と言われています。こちらは現物に触ってもらった方がより商品への理解が深まるので、対面にしたいのですが、とにかくコロナを恐れている。リモートの説明で売り上げは減っています」

 都会のビジネスパーソンあるある

 人口の少ない地域の人々が都会人に対して抱く恐怖心がよく分かるエピソードですが、実際8月の「第5波」では人口関係なく各地で陽性者数は激増。しかし、テレビは都会が悪いかのような報道を行ない、結果地方の人に恐怖を抱かせ、都会の人が差別を恐れて地方に行かなくなりました。

 私はこの男性に「多分、恐怖心が続いている間は終わらないと思います。仕方ないので、相手にZoomで懇切丁寧に商品を伝え、なんとか装置の優れた点を伝えて下さい」としか言えなかったです。

 しかし、これは都会で働くビジネスパーソンにとっては「あるある」なエピソードではないでしょうか。CMを撮影する人にしても、撮影場所として地方都市を予定していたのに、自治体のフィルムコミッションの部署から拒否された、という話も聞きます。各地の市が運営する施設には「県外客の利用はご遠慮ください」との貼り紙もあります。

 地方の温泉施設などが、県外客をツイッターで拒否する例もあります。地域を守らねば……と必死なのでしょうが、結果的に「あなたのところは行かないので安心してください」と言われてしまう。

 直接行けないのなら…

 ここで考えたいビジネストラブルとは、何かを恐れた人の意識差をいかに埋めるか、ということです。福島第一原発の事故があったことを受け、福島産の農産物や海産物を恐れる人がいるように、一旦何かを恐れるとなかなか元に戻るのは難しいものです。冒頭の営業マンにしても、地方都市の顧客の恐怖心を取り除くことは、おそらく無理でしょう。しかし、その地域も重要な売り上げ拠点であるので、おいそれと捨てるわけにもいかないという状況だと思います。

 その際、同氏ができるのは「その地域に歩合制の営業マンを一人外注で雇うこと」です。この人については、実際に面接をし、信用に値する人物かを見極める。いい人材がいたら採用。実は、同氏がその街で新規に顧客を開拓するよりも、地元に顔が利く中高年に営業を委託すれば、その方が売れるかもしれないのです。それは私が、昨年11月に東京から佐賀県唐津市に引っ越したから予想できることです。地方特有の「知り合いかどうかが重要」という文化があるのです。

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