ローカリゼーションマップ

中国「ロゴ至上主義」の終焉 加速するラグジュアリーの新しい意味探し (3/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 ラグジュアリーの新しい意味について、この2年以上、ぼくはリサーチを重ねてきた。各国のリサーチャーや実務家にインタビューを行い、多くの人と意見を交わした。

 結果、新しい動きが出てきているのが確認できた。そして、それらが徐々に存在感を増しているのも見えてきた。ただ、新しいメインの方向としてはっきりと姿を現してくるのは、これから5-10年先だろうとの見込みをつけてきた。

 そうしたら、この度の中国政府の方針変更である。新しい方向がメインになるタイミングの前倒しが予想されるのだ。

 他方、リサーチで得てきた内容を踏まえ、ワーク中心で参加者と講師が一緒に考えていく講座を仲間と共に企画し参加者募集をスタートした。「新しいラグジュアリーの鼓動に耳をあてる。」とのタイトルだ。

 新しい動きに自らのセンサーをきかせ、新しい文化を創っていこうと思う人の背を押す。

 言うまでもなく、中国の動きとはまったく関係なく準備を進めてきたが、意外な展開にぼくも驚いている。量を優先する中国動向とは常にぼくは距離をとってきたが、中国を含め、どこの世界でも質を見極めようとの動向が強まっているのは感じている。

 図らずも、講座の狙いと社会の流れが交差するタイミングが速まってきたのだ。もしかしたら荒波になるかもしれないが、この波を真正面から受け止めてみたい。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)
安西洋之(あんざい・ひろゆき) モバイルクルーズ株式会社代表取締役
De-Tales ltdデイレクター
ミラノと東京を拠点にビジネスプランナーとして活動。異文化理解とデザインを連携させたローカリゼーションマップ主宰。特に、2017年より「意味のイノベーション」のエヴァンジェリスト的活動を行い、ローカリゼーションと「意味のイノベーション」の結合を図っている。書籍に『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する<意味>の戦略的デザイン』『イタリアで福島は』『世界の中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』。共著に『デザインの次に来るもの』『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。
Twitter:@anzaih
note:https://note.mu/anzaih
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ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解すると共に、コンテクストの構築にも貢献するアプローチ。

ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。

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