キャリア

「ハンカチ斎藤佑樹投手は余裕で食っていける」アスリートの再就職先の“天国と地獄” (4/5ページ)

 ■セカンドキャリアに必要なスキルとは?

 順調にセカンドキャリアを築けたとしても、そこには厳然とした格差もある。

 例えば、女子マラソンの世界。五輪で2つのメダル(銀・銅)を獲得した有森裕子、同金メダリストである高橋尚子と野口みずき。この3人が解説を担当するテレビのマラソン生中継では、キャリアで劣る千葉真子がバイクレポートにまわることが多い。また、女子マラソンの創成期に活躍した増田明美も五輪の実績では後輩たちにはかなわない。そのため“細かすぎる解説”に力を注いで存在感をアピールしている。

 タレントとして活躍していくのも簡単ではない。前述の斎藤祐樹の再就職先がどこになるかはわからないが、元プロ野球選手でいえば、長嶋一茂が売れっ子のひとりでタレント、コメンテーターとしての地位を確立済だ。ただ、選手としてどんなに活躍しても、タレントとして生きていくのは至難の業だ。

 サッカー界の勝ち組は内田篤人だろうか。端正なルックスもあり現役時代から人気は抜群だった。現在は『報道ステーション』のスポーツコーナーでキャスターを務めるだけでなく、CMで見る機会も多い。サッカー女子の丸山桂里奈もキャラクターが受けて、バラエティ番組に引っ張りだこだ。だが、内田も丸山も、テレビ出演者としての賞味期限がどれくらいあるかは不透明だ。

 ■メダリストとはいえ左団扇で暮らすというのは難しい

 一方、五輪で3つの金メダルを獲得して、国民栄誉賞も受賞した女子レスリングの吉田沙保里は受難のときを迎えつつある。現役引退後から約2年半務めてきた朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)のレギュラーを9月いっぱいで卒業。テレビ番組出演も少なくっている印象がある。

 テレビ番組の出演料は一般的なビジネスパーソンの日給と比較すれば、かなり高額だ。しかし、よほどの売れっ子にならない限り、コンスタントにテレビ番組の仕事が入るわけではない。単価は低くてもいいので、毎月、ある程度の金額が入ってくるビジネスプランでないと、メダリストとはいえ左団扇で暮らすというのは難しいだろう。

 さらに言えば、日本人アスリートはプロ選手よりも、実業団というカテゴリーに所属するケースが多い。実業団ランナーの場合、朝練習をこなして、9時から14時くらいまで勤務。その後、練習というスケジュールが一般的だ。大手自動車メーカーで走り続けた元選手を取材したときに、こんなことを話していた。

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