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「これからはアート思考だ!」と熱くなっているのは日本だけ? (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 「アート思考」との表現が出回っている。この3-4年、特に日本のなかで流行っている。この言葉の定義はほぼないと言ってよい。各々がそれぞれの解釈で使っている。言うまでもないが、アーティスト自身はこの言葉を使わず、主にビジネスに新しい発想やプロセスを求める人が好んで使う。

 新しい事業をおこすにあたっての発想やプロセスは、アーティストの作品づくりのそれらと近いものであることが多い。したがって「アート思考を学ぼう」となる。これがわりと多いパターンである。

 同時代を生きている作家たちがどのように社会の流れを解釈しているか。これは現代のビジネスパーソンにとっても実利的な参考になると思うようで、殊にコンテンポラリーアートの作家たちの思考プロセスに関心が高い。

 ぼくは数年前、この言葉を初めて聞いた。そのとき、それもそうだと思った。ぼく自身、コンテンポラリーアートの動向が時代のセンサーになっていると認識していたので、あまり違和感がなかった。

 「あれっ?」と思いはじめたのは、アート思考との言葉がさかんに闊歩してからだ。今までアートにまったくの門外漢までもが、「アート思考ってどう思います?」と口に出すようになったからだ。

 その結果、「アート思考を問う前に、アートって?」だろうが、とぼくは悪態をつく羽目になる。

 このおよそ30年間に信仰した「ロジック思考」への反省がある。この10数年の「デザイン思考」が消化不良のままである。そこで「アート思考」に救いを求める。それが経緯であり背景だろう。 

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