α6400のユーザーに交換レンズをそろえてもらえば、本体を買い替える際にソニー製品を選んでもらえる可能性が高まる。「中級機でミラーレス初心者を獲得し、将来的にフルサイズなど高級機への買い替えにつなげたい」(ソニーマーケティングの小笠原啓克統括部長)という考えだ。
一方、キヤノンの新機種「EOS RP」(3月14日発売)はフルサイズ機ながら小型・軽量で、手ごろな価格に設定。こちらも広い間口でビギナー層をすくい取り、高級機へのステップアップ需要を狙う。
進む高単価化
カメラ映像機器工業会によると、ミラーレスの平成30年の国内出荷台数は約59万台に上り、デジタル一眼レフ(約47万台)を初めて上回った。
牛田一雄会長(ニコン社長)は「スマートフォンの普及によりコンパクトデジタルカメラの市場は縮小したが、レンズ交換式のミラーレスは写真表現の上で優位性を打ち出せる」とCP+の基調講演で述べ、今後の市場動向について「ニーズが高付加価値商品にシフトするだろう」との見通しを示した。
実際、ミラーレスの高単価化は進んでいる。24年に約3万4000円だった本体の平均単価(国内市場)は、30年には約5万8000円まで上昇した。
シェア争いがさらに熱を帯びる。(山沢義徳)
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■ミラーレスカメラ 反射鏡を備えず、被写体を電子ファインダーに写し出す仕組みのため、一眼レフカメラと比べ小型で軽いのが特長。平成20年にパナソニックが初めて発売した。