在京民放5社が運営する動画配信サイト「TVer(ティーバー)」で、NHKの番組の配信が始まった。民放とNHKの番組が1カ所に集まるプラットフォームの誕生だが、人気ドラマを提供する民放と、「朝ドラ」や「大河」などの看板番組を配信しないNHKとの間には「温度差」も垣間見える。海外発の動画配信サービスが存在感を高める中、日本のテレビ界の生き残りをかけた対応が続く。(森本昌彦)
テレビ回帰担う
TVerは、平成27年10月にスタートした無料動画配信サイトで、在京民放5社などの番組を放送終了後、広告付きで約1週間見ることができる。
発足当初は、動画配信サイトへのテレビ番組の違法投稿対策や、見逃し番組を配信することで「テレビ離れ」に歯止めを掛けることを主な目的にしていた。
だが近年、海外の動画配信事業者が急速に存在感を高め、テレビ局の強力なライバルとなりつつあることで、民放各局の連合であるTVerに期待される役割にも変化が訪れている。