今回取材に応じてくれたエコプラザ・ラボプロジェクト責任者のスティーブン・アイザーマン氏は、「そもそもこのプロジェクトの目的は(プラスチック削減に関して)世間をインスパイアし、情報を伝えることでした。非常に多くの企業や消費者の注目を集めましたので、結果は大成功です」と語った。
▽こだわりの包装の真意とは
実際にオランダ南部にある常設店舗を訪れてみることにした。道すがら、頭の中には野菜が棚にむき出しで陳列され、量り売りの調味料や化粧品のガラスケースが並ぶ、なんというか昔の駄菓子屋と農家の軒先の融合のようなビジュアルが浮かぶ。
店内に一歩入って拍子抜け。地元産のオーガニック野菜やパンのコーナーは確かにむき出しで陳列されている(もっともこれは、オランダのスーパーでは普通である)が、他はいたって“普通”の包装をされた商品が整然と棚に並んでいる。
これは、「プラスチック削減のデメリットを被らずに買い物をしてもらえるよう、包装をしないのではなく、より環境にやさしい素材で包装することにした」(本社ゼネラルマネージャー、エリック・ダズ氏)結果である。
普通のプラスチックに見える透明の袋に入った商品も多く扱っているが、これらは生分解性材料でできている。微生物と酵素の働きによって最終的には水と二酸化炭素など自然界に無害な物質に分解される素材だ。手に取るとなんというか若干「パリパリ」した感触があるが、消費者の手に届くまでのプロセスに限っては特に強度や利用に問題がありそうではない。