脳卒中リスク 世界の平均は25%で増加傾向 最大の中国39%、日本は23%

 脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりして脳細胞が損傷を受け、体のまひや要介護、死亡などの原因になる病気だ。

 一人の人が生涯にこの病気を発症するリスクを推定した研究はこれまで、限られた国のものしかなかったが、国際研究チームが、入手可能な疫学データを基に世界195カ国・地域について2016年時点の発症リスクを推計したところ、平均24.9%となり、四半世紀前の1990年時点の推計値(22.8%)から増えた、との結果が出た。

 リスクが最も大きかったのは、国では中国、地域では東アジアだった。

 チームは、さまざまな疾病による影響の大きさを継続的に検討している「世界疾病負荷研究」のデータを活用し、25歳以上の成人が脳卒中になるリスクを算出した。

 その結果、世界全体の脳卒中発症リスクは、男性24.7%、女性25.1%で、男女差はほとんどなかった。脳卒中の種類に着目すると、血管が詰まる脳梗塞の発症リスクが18.3%となっており、脳出血のリスク(8.2%)を上回っていた。

 国として発症リスクが最大の39.3%だった中国は、男女別に見ると、男性のリスクが41.1%で、女性の36.7%より大きかった。リスクが大きい国はほかに、ボスニア・ヘルツェゴビナやブルガリア、ラトビアなど。

 日本は世界平均より低い23.0%(男性22.5%、女性23.6%)だった。

 全体に先進国では四半世紀の間にリスクが減少傾向だったのに対し、所得が中程度の国のリスクが大きくなっていた。