ゆうゆうLife

家族がいてもいなくても(603) 年甲斐もなくハグ (2/2ページ)

 晩年になると、偶然出会った人が自分となにかしらの縁でつながっているのを知ると、気持ちが高揚してしまう。同じ人を知っているんだね、子供の頃、同じ風景を見たんだね、というだけで親近感がわき、特別な人に出会った心もちになる。

 那須に移住して来てから、そういう縁のあった場所や人と出会うことがしきりと起きて、不思議な気持ちになっている。

 さすが移住者が6割も占める町の面白さだと思うが、もう誰に会ってもいきなりハグなんてことはしないようにしている。

 遅ればせながら、年齢にふさわしいたしなみというものを身につけねばと思っている。(ノンフィクション作家・久田恵)

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