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「未来券」が経営者の「今」を救う コロナ休業明け利用で支援 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大により各自治体から休業を要請され、苦境に立たされた映画館やライブハウス、飲食店などで、休業明け以降に使える「未来券」を販売し、当座の運転資金にまわす動きが広がっている。ぜいたくなランチやとっておきの映画、旅行など、消費者の「未来」の楽しみが経営者の「今」を救うこの取り組み。全国から応援の声が続々と寄せられている。(地主明世)

 「何もしなければ、なすすべなくこの大波にのみ込まれる。やらなければ、どうしようもない」。京都市上京区でミニシアターやカフェなどを営む出町座の田中誠一支配人(42)は、未来券販売に踏み切った理由をこう説明する。

 出町座は平成29年にミニシアターと書店、カフェを併設する施設として開館。著名人らを招いたトークショーやサイン会などを数多く開催し、文化の発信拠点として活動してきた。

 しかし、新型コロナウイルスの影響で3月末から客足が激減。自粛期間中は映画館を休館し、併設する書店とカフェのみ時間を短縮するなど切羽詰まった状況が続いた。

 そんな中で追い込まれるように始めたのが、クラウドファンディング(CF)で支援金を募る「出町座未来券」の取り組みだった。

 未来券は、活動自粛が明けた未来に出町座で使える先売り券で、映画鑑賞券▽書籍購入券▽カフェ利用券-の3種類を用意。コーヒー豆や書店の店長が選んだ書籍などが自宅に届くセットもある。いずれも「近い未来、またここにつどってもらいたい」と思いを込めた品々だ。

 募集開始の4月3日に180人以上が賛同。2日目には支援金が目標の200万円を突破した。田中支配人は「大きなリアクションがありがたい。応援してくれる人のためにも今できることを考えていくつもりです」と話す。

 京都府の休業要請の一部解除を受け、出町座も22日からの営業再開を決めた。座席の間隔を1メートルあけたり、マスクの着用、館内の換気や事前予約など対策を凝らしているが、自粛期間に客足が8割程度減少した現実は重い。田中支配人は「まだ感染が心配だという人もいるでしょうし、気が晴れるとはいかないが、重々気を付けてやっていこうという気持ちです」と話す。

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