後輪駆動が生んだ理想的な重量配分
乗り味も自然である。新型ミライはRWD、つまり後輪駆動となった。先代はFWD、前輪駆動である。FCVを成立させるためのさまざまな要素を積み込むと、後輪駆動にするのがスペース的に最も都合が良かったという。結果的に、前後重量配分「50:50」という、走りにとって理想的なバランスとなった。水素で走る燃料電池車だから選んでもらうのではなく、たまたま魅力的なクルマを購入したら、それがFCVのミライだった…という感覚を強めて開発したようなのだ。
確かに新型ミライは、たとえそれに内燃機関が搭載されていても不自然ではないような、高級セダンに映る。それが普及につながればいいのだが…と思う。
【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】はこちらからどうぞ。