前回に引き続き、マツダ広島本社工場に併設されたマツダミュージアムの見学記をお送りする。今回の主役は自動車産業の基幹技術であるエンジンだ。マツダのエンジンと言えば、やはりロータリー。車両展示室に続いて案内されたエンジン展示室には、歴代のロータリーエンジンがずらりと並んでいた。(文・写真 小島純一)
ロータリーエンジンとは
レシプロエンジン(通常のガソリンエンジン)やディーゼルエンジンは円筒の中でピストンが上下運動を繰り返すことで動力を生み出すのに対し、ロータリーはまゆ形断面の筒の中をおむすび型のローターが偏心回転しながら循環することで動力を生み出す仕組みのエンジン。
レシプロエンジンとの比較では、排気量が同等ならより小型で、出力が高く、低振動・低騒音などのメリットがある半面、燃費が悪かったり、低速トルクが細くゴー&ストップの多い市街地での走行には不向きというデメリットもある。
マツダの看板技術に
1964年、世界で初めて量産・市販化に成功したのは西ドイツのNSU(アウディの前身)。マツダはNSUからの技術供与を受け、1967年に伝説の名車コスモスポーツでロータリーエンジンをデビューさせる。
以上、かけ足でお送りしてきたが、一般見学者が入らないお昼休みの1時間で見て回るには垂涎モノの“誘惑”が多すぎて、とても時間が足りなかった。写真を撮るので精一杯で、案内してくださった広報担当の方にもろくにお話を聞く余裕もないくらい。とにかく見どころ満載の充実した博物館である。見学の際は今回と前回の見学記を参考に、あらかじめいくつかターゲットを絞って訪問することをおすすめする。