「鳥の楽園」取り戻せ NZ、50年までに外来種根絶へ (1/2ページ)

ニュージーランドの野生動物保護区「ジーランディア」で、外来動物の剥製を前に駆除活動について説明する「プレデターフリー・ウェリントン」のウィルコックス代表(右)=2018年10月16日(共同)
ニュージーランドの野生動物保護区「ジーランディア」で、外来動物の剥製を前に駆除活動について説明する「プレデターフリー・ウェリントン」のウィルコックス代表(右)=2018年10月16日(共同)【拡大】

 ■わなや殺処分などで駆除図る

 ニュージーランドで2050年までに、イタチやオーストラリアの有袋類ポッサム(フクロギツネ)など、外来動物の根絶を目指すという壮大なプロジェクトが進んでいる。「鳥の楽園」とうたわれた、かつての豊かで貴重な生態系を取り戻すのが狙いだ。

 年間2500万羽が餌に

 首都ウェリントン郊外にある野生動物保護区「ジーランディア」。東京ドーム約48個分に相当する約225ヘクタールの広大な敷地には再生させた固有種の木々が茂り、外来動物を寄せ付けないようフェンスが囲む。世界で唯一飛べないオウムのフクロウオウム、赤茶色の背中の羽が特徴的なセアカホオダレムクドリ…。ここは同国随一の、希少生物の「避難所」になっている。

 「ネズミ、ポッサム、イタチの3種の哺乳類は国内で年間2500万羽の鳥を餌として食べてしまっている」。外来動物の駆除活動を推進する非営利団体「プレデターフリー・ウェリントン」のウィルコックス代表は説明する。

 他の大陸から遠いニュージーランドには、もともと限られた種類の動物しかいなかった。渡ってくることができたのは翼を持つ鳥たち。天敵の哺乳類がいないため地上で過ごすようになるうちに翼が退化し「飛ばない鳥」が増えた。国鳥のキウイはその代表例だ。

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