京都大は8日、来年3月に任期満了を迎えるiPS細胞研究所(CiRA、サイラ)の山中伸弥所長(59)の後任に、サイラ所属の高橋淳教授(60)を選出したと発表した。2日の教授会で決定した。任期は令和6年3月末までの2年間。
山中氏は、平成22年のサイラ設立当初から6期12年にわたり所長を務めてきた。退任後もサイラの教授として京大に在籍する。山中氏は「研究者としての最後の期間は自身の研究に注力したいとの思いが日に日に強くなっていた。基礎研究者としてiPS細胞や医学・生物学の発展に貢献できるよう全力を尽くす」とのコメントを出した。
高橋氏は京大医学部卒。京大病院助手や京大再生医科学研究所准教授を歴任し、サイラ設立時から所属。長年パーキンソン病治療の研究に携わり、30年には京大病院でiPS細胞を用いたパーキンソン病の治験を開始した。専門は神経再生や脳神経外科。
高橋氏は「身の引き締まる思い。未来の医療や生命科学に貢献できるよう研究・医療応用を推進する」とのコメントを発表した。