台頭著しい不動産テックベンチャー 空室の有効活用が推進役に

    スマートロックで民泊物件をシェアオフィスに

    大手企業とベンチャー企業の協業も相次いでおり、新たなサービスが誕生しています。三菱地所は、赤外線を用いたワイヤレス給電のプラットフォームを開発する米スタートアップ、ファイオンテクノロジーズに出資し、実証実験を行います。野村不動産はピーステックラボと協業し、人気の高級家電が利用可能な月額制サブスクサービスを賃貸住宅で導入しました。大崎電気工業は自社開発のスマートロックを活用しスペイシーと提携、シェア民泊物件をシェアオフィスとして転用する事業を開始しました。

    大企業とベンチャー企業の協業事例
    大企業とベンチャー企業の協業事例

    不動産IDの共通化がテック市場の牽引役に

    不動産テック市場のさらなる拡大に向けた牽引役を担おうとしているのは、不動産テック協会が進めている不動産IDの共通化です。物件情報が個別に管理されているため関連データの連携ができておらず、情報収集に時間を要するといった課題を踏まえ、不動産テック協会が実装を進めています。建物名を取得できる不動産については、実装率が97%に達しています。IDを活用すれば無駄な手間が省けて不動産取引が増え、保守や修繕などの一元管理が可能になるといった効果が表れます。

    また、街の夜間情報と組み合わせて空き家を特定できるようになるほか、災害情報も蓄積されます。他業界との連携も進み、中古住宅や空き家、防犯・防災といった領域で新サービスの登場に期待が高まります。すでにアマゾンジャパンと、ライナフ、大手運送会社が共通IDを利用した置き配ビジネスを構築しています。

    今後の不動産テック市場は企業の業務連携やM&Aの動きが活発化するほか、DXを取り入れたサービスの需要がさらに高まると予測しています。25年度の市場規模は20年度比で倍増の1兆2500億円まで拡大するとみられています。

    不動産テック協会が作成する不動産テックカオスマップは12の領域によって構成されており、今回は仲介と管理業務の支援、マッチング、IoT、スペースシェアリングの中から5社を紹介します。


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