鉄道各社「異業態」進出が活発化 葬祭業、カジノ運営…収益源多角化狙う

 

 鉄道業界で本業の鉄道事業とは直接的な関わりの薄い「異業態」に進出する動きが相次いでいる。少子化の進展を背景に、長期的に鉄道利用客の減少が見込まれる中、鉄道以外の事業領域を拡大し、収益源を多角化する狙いとみられる。

 JR東日本は4日、福島県いわき市に、トマトを生産する新会社「JRとまとランドいわきファーム」を地元農家などとの共同出資で設立した。太陽光を利用した植物工場を2016年春に建設して栽培に着手し、同年夏に収穫を始める。農産物の加工や販売はこれまでも手掛けていたが、生産は初めての試みだ。

 年間600トンの生産を予定しており、グループの飲食店などで提供するほか、植物工場に隣接する施設でも販売する。冨田哲郎社長は「今後はトマト以外でも、地域の先進的な農家と手を携え、新しい成長力のある農業に取り組みたい」と語る。

 京王電鉄は葬祭業への進出を決めた。8月下旬、葬儀会館の運営や葬儀の執行にあたる全額出資の子会社を設立。第1号の葬儀会館を来年春、京王線北野駅(東京都八王子市)の近くに開業する。「葬儀ニーズの多様化に加え、少子高齢化が進んでいる」(広報)として、需要が見込めると判断したという。

 カジノ運営への参入を目指すのが京浜急行電鉄だ。横浜市や東京・台場を候補地に、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)を整備する構想を掲げている。秋の臨時国会で関連法案が成立すると見込んで、8月中旬には社内に担当部署を新設した。

 事業主体となる企業連合体の発足に向けて準備を進めており、総投資額は5000億~6000億円規模を想定している。

 各社とも鉄道事業を基軸とするものの、少子化が進めば沿線人口は減少し、鉄道収入の先細りが避けられない。このため、鉄道以外の事業の成長が重要となっており、収益源の多角化へ事業領域の拡大を急いでいる。(森田晶宏)