歯磨き周辺商品の普及加速 家庭で口腔ケア浸透、市場拡大に弾み
歯の根元の汚れを除去する歯間ブラシや洗口液など歯磨き周辺商品の普及が加速している。歯磨き粉と歯ブラシという基本的なケアに加え、家庭での手軽な歯周病対策として浸透し始めているためだ。口腔(こうこう)ケア各社は虫歯予防法などを提案する新商品を投入し、市場拡大に弾みを付けたい考えだ。
口腔ケアブランド「クリニカ」などを展開するライオンは2014年の洗口液、デンタルフロス、歯間ブラシの売り上げが前年比12~16%増といずれも2桁の伸びを記録した。2月18日には、虫歯の発生や進行を防ぐ働きのあるフッ素を歯に塗る「クリニカアドバンテージ デンタルジェル」(市場想定価格430円)を発売。就寝前に使って睡眠中に歯を強くするという新たな予防歯科の習慣を提案する。
浜逸夫社長は「家庭でも歯科医が推奨するケアを浸透させたい。(歯磨き)周辺商品は大きな潜在需要があるので新商品を投入して拡大する」と述べる。
アース製薬は2月、洗口液「モンダミン」の薬用シリーズに“とろみ”成分を加えた「ハグキEX」(同760円)を投入した。殺菌や抗炎症などの薬用成分がとろみで歯ぐきにとどまり、効果が持続するという。
サンスターは、歯間ブラシの売り上げが15年1月までの1年間で前年比約8%増えた。なかでも歯周病対策ブランド「ガム」が13年2月から展開するブラシ部分にゴムを使った「ソフトピック」(20本、同389円)が好調だ。昨年9月には本数が2倍の40本入り(同432円)もラインアップに追加。芯にワイヤを使う商品は歯ぐきを傷つける不安から敬遠するケースがあるが、「初心者でも抵抗なく使えるソフトピックで利用を広げたい」(同社)という。
サンスターによると、歯間ブラシの利用者は「4、5人に1人程度」(広報部)。だが、歯磨きのみでは約4割も残る歯周病の原因になる歯垢が、歯間ブラシやデンタルフロスを使えば約2割まで減るというデータもあり、効果が実感されれば需要拡大は必至。各社の新商品投入で利用が根付けば、歯磨き周辺商品は大きな市場に成長しそうだ。
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