マイナス金利1カ月 金融機関苦慮、地銀経営厳しく
日銀が2月16日に導入したマイナス金利政策を巡り、収益悪化を懸念する金融機関が対応策を模索している。全国銀行協会の佐藤康博会長(みずほフィナンシャルグループ社長)は17日の記者会見で「マイナス金利そのものによる収益圧迫よりも、貸出金利が下がることのインパクトの方が大きい」と述べ、金利以外で稼ぐことの重要性を強調した。(米沢文)
日銀が0・1%のマイナス金利を適用する資産は、最初の1カ月間で計23兆840億円に達した。金融機関が日銀に支払う手数料は約18億3千億円になる。
ただ、銀行にとってより深刻なのは、長期間にわたって利ざやの縮小が続き、本業の貸し出しで稼ぎにくくなることだ。佐藤会長は「非金利収入で今まで(収益を)取れていないところがある。経営資源の配分をそこに集中させる」と述べ、気を引き締めた。大手行はM&A(企業の合併・買収)に絡むコンサルティングなど非金利収入や、海外事業に活路を見いだす。
一方で、国内の預金を国内企業への貸し出しに回す預貸金収益の比率が高い地方銀行は、より厳しい経営を強いられる。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の推計によると地銀の本業のもうけを示す業務純益は、マイナス金利によって平成28年度に15%吹き飛ぶという。
全国地方銀行協会の寺沢辰麿会長(横浜銀行頭取)は「事業評価などの手法を使って貸し出し増を探ることが考えられる一方、利ざや縮小で(貸し出し)リスクが取れなくなってくる恐れもある」と指摘する。地銀が貸し出しを控えれば、日銀や政府が目指す、資金供給の拡大による景気回復と逆行する動きになりかねない。
日銀もマイナス金利の悪影響を小さくした。国債などで運用される投資信託「マネー・リザーブ・ファンド(MRF)」について、日銀は15日の金融政策決定会合でマイナス金利を課す対象から除外した。元本割れの懸念が高まっていたためだ。信託協会の常陰均会長(三井住友信託銀行社長)は17日の会見で、「市場取引の安定性につながる」と評価した。
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