シャープ、アップルとの取引を再建の柱に 液晶部門へ巨額投資

 

 シャープは台湾の鴻海精密工業の主導下で経営再建に取り組む。業績不振で切り離しを検討していた液晶部門へ巨額の資金を投じ、米アップルとの関係を強めて再建の柱に据える構え。太陽光パネル部門への投資は最小限に抑えるなど、親会社となる鴻海の意向に全面的に沿った成長戦略を構築、再出発を期す。

 両社の決定によると、鴻海は今年10月上旬までに計3888億円の出資を完了し、議決権ベースでシャープ株の66%超を握る。会社の経営方針を決める取締役は、総数の最大3分の2を鴻海が指名することになった。2017年7月以降、鴻海が保有できるシャープ株は72%超に上る。議決権を3分の2以上持つと、事業の売却や会社の解散も鴻海だけで可決できるようになる。

 投資計画では、液晶部門のうち、将来的にiPhone(アイフォーン)への採用が見込まれる次世代パネルの有機EL開発に2000億円を振り向けるのが最大の特徴だ。出資減額に伴って他の事業への投資を軒並み絞る中、ここだけ額を据え置いた。

 アイフォーンの組み立てで急成長を遂げた鴻海には、アップルとの取引を拡大する狙いがある。主力の亀山工場(三重県亀山市)で18年の量産を目指す。

 当初1000億円を充てる予定だった液晶の高精細化には600億円を配分、家電や複写機の部門もそれぞれ50億円、100億円減らし、各400億円を投入する予定だ。太陽光パネル向けにはわずか80億円にとどめた。

 鴻海がシャープの取引先との関係見直しに動くかも焦点となる。東京商工リサーチによると、シャープやグループ会社と直接取引がある企業は全国に1680社(1月現在)。工場の立地地域に企業が集まっており、担当者は「工場の閉鎖や取引先とのビジネス縮小などがあれば、地域経済に与える影響は大きい」と話している。