電力9社、燃料費2兆3000億円増 15年度は原油安で負担1兆円減
経済産業省は13日、原発停止の影響で、沖縄を除く大手電力9社の2015年度の燃料費が、10年度に比べて2兆3000億円増えたとの試算を明らかにした。同日開かれた自民党会合で示した。
原発稼働がゼロだった14年度の増加額は3兆4000億円だったが、15年度は原油安で火力発電に使う化石燃料の価格が下がり、負担が約1兆円減った。
東日本大震災が発生した10年度は電力の2割弱を原発で賄っていたが、九州電力川内原発1、2号機だけが稼働している現在は電力の7割超を火力発電に頼っている。
10年度比の増加額は、11年度が2兆3000億円、12年度が3兆1000億円、13年度が3兆6000億円と増加傾向にあったが、石油や液化天然ガス(LNG)の価格が原油に連動して下がり、15年度まで2年連続で減少した。
ただ、政府は原油やLNGの価格が上昇するとみており、原発再稼働や再生可能エネルギーの普及により火力発電への依存度を低くする考えだ。
同時に燃料費を抑えるため、化石燃料の資源開発に向けた投資促進やLNGの安定供給のための国際的な枠組みづくりも急ぐ。
経産省は13日の自民党会合で、こうした論点を盛り込んだ15年度エネルギー白書の骨子も提示した。
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