「日産からの指摘で発覚」相川社長、辞任には否定的

三菱自不正・会見詳報(2)
燃料試験における不正行為について会見する三菱自動車の相川哲郎・取締役社長兼COO(中央)ら=20日、東京・霞が関の国土交通省(伴龍二撮影)

 --不正をしたのはどの部署か

 中尾副社長「数値の不正を行った部署は当社の性能実験部。その中で、どのレベルまでが関与していたか、現在調査中で、社内だけでの調査では透明性がないため、外部の独立した有識者の調査を行って、全貌を解明していきたい」

 --日産自動車からの指摘で発覚した

 中尾副社長「日産自動車から指摘があったのは、昨年8月に、当社と日産自動車と協業で作っている現在の軽乗用車の次期車を今後日産自動車のほうで開発をお願いする、ということが決まった。その後、11月ごろ、次期車の燃費の試験を始めるために、現行車の1号型の『デイズ』の燃費を測定したところ、届出値との乖離がある、ということで本件について合同で調査したいと申し入れがあった」

 中尾副社長「今年の2月に当社と日産自動車と一緒になって実際の燃費調査した。3月に分析した結果、走行抵抗に差があるということが判明しました。4月内に社内で調査を始めた。最終的に不正が行われていたと発覚し、社長へ報告したのは4月13日。この件を日産に報告したのは18日」

 《相川哲郎社長への質問が始まる。疲れ、緊張が重なった表情にみえる》

 --燃費の改ざんは意図的なのか。もともと把握していたのか。責任はどう取るつもりか

 相川社長「まず、この操作は意図的なものであると、考えております。その理由は現在調査中であるが、数字をよくいい燃費に見せるという意図があったのは確か。だが、なぜ不正までしてやろうとしたか、そこまでは現在調べておりまして、まだ分かっておりません。私は、この件については把握しておりませんでした。これについては経営として責任を感じております。まずはこの問題を解決する、そして次の再発防止に向けて道筋をつける、ということが私の責任を果たすことだろうと思っています。それ以上のことは考えておりません」

 --提携する日産自動車の要求を満たすために改ざんしたのか

 中尾副社長「それはございません。それに対しては、できなければできないといえればいい。なんで言えなかったのか。それを今後調べます」

 --言うことを聞かないと日産から提携解消になりかねない

 中尾副社長「開発に関しては責任を持ってやっていました。燃費も、われわれの(開発途中の)見込みで設定しています」

 --協業相手に期待感を抱かせるために、実力以上の燃費を提出した

 中尾副社長「われわれは、開発段階では、こうした技術を盛り込めばできると見込んだ。その数値ができないとは思っていなかった」

 --そうすると社内目標値を達成するために改善したのか

 中尾副社長「その可能性は大きいと考えています」

 --該当車に乗る顧客にはどう対応する

 中尾副社長「社内でどういうふうなことをやればいいか納得してもらえるかと始めた。現時点では決まっていません」

 --告知方法、今後費用はどのくらいかかる

 相川社長「(算定は)これからです」

 --三菱自動車の販売店にはどう説明するのか。新車出てないと苦しんでいる

 相川社長「まさに顧客と同様、販売店にしてもどう対処するか検討しているところ。結論は出ていない。急いで解決する問題だ」

 --燃費改ざん幅は5~10%で間違いないのか。もっとだから日産が怒ったのでは

 中尾副社長「日産と共同で調査した結果、走行抵抗の差が7%あると判明した。7%は大きな値だと思っています」