軽市場、2強優位が加速か!? 三菱自のシェア低下必至
三菱自不正
記者会見で頭を下げる三菱自動車の相川哲郎社長(中央)ら=27日午後、東京都港区
三菱自動車の燃費データ不正問題を受け、ダイハツ工業とスズキの“2強”が国内の軽自動車市場のシェアを高めそうだ。三菱自はデータの不正操作を行った軽について、日産自動車向けも含めて販売を停止しており、ブランドイメージの悪化は避けられない状況だ。
三菱自が不正を発表した翌日の21日、三菱自の株価が年初来安値となる一方、スズキやホンダなどの株価は上昇した。市場では三菱自から流出した顧客が、他メーカーに向かうとの見方が強い。
平成27年度の軽の販売台数は約180万台。シェアはダイハツが32・3%、スズキが30・3%と2強で約6割を占め、ホンダが17・7%で追いすがる状況。三菱自は3・2%にすぎず、日産も10・9%にとどまる。
軽は割安な価格や維持費を武器に、26年度の国内新車販売に占める割合は初めて4割を超えた。ただ昨年、軽自動車税が増税となり、その後の販売は苦戦。ダイハツが27日発表した28年3月期決算も減収減益だった。三菱自の相川哲郎社長は27日の記者会見で「軽からの撤退は考えていない」と述べたが、シェアのさらなる低下は避けられない。(田村龍彦)
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