好業績なのに… セコムの会長・社長解職劇 後任社長は「成長見込めない」

 
セコム社長に就任した中山泰男氏

 セコムが発表した“異例”の人事が、市場関係者に波紋を広げている。前会長の前田修司氏(63)と前社長の伊藤博氏(64)を解職し、後任社長には常務だった中山泰男氏(63)が11日付で就任するというものだ。同社は平成28年3月期まで4年連続で最終利益が過去最高を更新。好業績下での異例の人事の背景には、経営陣の根深い対立があったとみられる。

 12日の東京株式市場では、セコム株が一時160円安の8353円まで売り込まれた。主力の警備事業を中心に、業績拡大を続けた前田氏と伊藤氏の退場劇を市場は不安視し、セコム株は13円安の8500円で取引を終えた。

 市場の動揺を招いたのは解職の理由だ。11日に一人で会見した中山氏は「前田氏は約7年にわたり強力なリーダーシップを発揮したが、副作用として自由な気風が失われた」「(前田氏と伊藤氏の)2人の経営では中長期的な成長が見込めない」などと説明した。

 前田氏は平成22年に社長に就任。26年に代表権のある会長に就き、後任の社長には伊藤氏が就任した。社長、会長在任中に前田氏へ権限が集中して自由な社風が失われ、社内では提案が通りにくい状況も生じていたという。

 同社の指名報酬委員会は4月以降、複数回にわたり退任を促した。だが、前田氏が拒否の姿勢を貫いたため、11日の取締役会に2人の解職を提案。取締役11人のうち6人が賛成し、決議した。創業者の飯田亮取締役最高顧問(83)も解職に賛同したという。

 日銀出身の中山氏は事業戦略を大きく変更はしないが、現場の声を引き上げ、新商品やサービスの強化につなげる方針を示した。ただ経営の刷新が成長につながるかは未知数だ。