大手銀5行の最終益2年連続減 マイナス金利影響 「追い風から向かい風に」と危機感

 
大手銀行5グループの2016年3月期連結決算

 三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行5グループの2016年3月期連結決算が16日、出そろった。最終利益の合計は2兆6195億円と高水準だが、前期比5.4%減と2年連続の減少となった。17年3月期は2月に導入した日銀のマイナス金利政策の影響を年間を通して受けるうえ、新興国の景気減速も重なる。業績見通しに不確実性が高まっている。

 「風向きが追い風から向かい風に変わった」。同日会見した三菱UFJの平野信行社長は危機感をあらわにした。

 昨年夏以降に株価が下落したうえ、為替水準が円高に推移。個人顧客が投資信託商品などの購入に対し慎重姿勢に転じたうえ、企業の設備投資も思うように上向かない。三菱UFJに加え、三井住友フィナンシャルグループ(FG)、りそなホールディングス(HD)が最終減益となった。

 日銀のマイナス金利政策の影響で、10年国債の金利がマイナスとなり、貸出金利は1%前後の水準まで徐々に下がった。

 預金はマイナスにしない方針で0.03%程度に据え置く。預金を元手に資金を貸し出す本業の差益(マージン)は大幅に圧縮される事態に見舞われる。

 三菱UFJ、りそなHDは今期の業績を「予想」ではなく「業績目標」とした。三井住友トラスト・ホールディングスの北村邦太郎社長もマイナス金利政策の影響について、「今期は150億円の減益要因となる」と話した。

 一方、これまで好業績を支えてきた海外事業は、円高で一部で暗雲が立ちこめる。また、新興国の景気減速で、三井住友FGは出資先のインドネシア地場銀行の株価が下落。570億円の減損処理を迫られる結果となった。今後は、「金融環境にとってプラスとはいえない状況がしばらく続く」(みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長)なか、どう収益を確保していくかが課題だ。三井住友FGの宮田孝一社長は「航空機リースなどの新しい投資や、大企業の国際的な企業買収の資金需要を取り込む」と強調した。

 ■大手銀行5グループの2016年3月期連結決算

 (実質業務純益/最終利益/17年3月期最終利益予想)

 ◆三菱UFJ

  1兆811(▲3.6)/9514/(▲8.0)/8500(▲10.7)

 ◆三井住友

  7287(▲13.6)/6466(▲14.2)/7000(8.2)

 ◆みずほ

  6884 (▲4.6)/6709(9.6)/6000(▲10.5)

 ◆三井住友トラスト

  2491(1.4)/1669(4.5)/1700(1.9)

 ◆りそな

  2456(0.2)/1838(▲13.1)/1600(▲13.0)

 ◆合計

  2兆9929(▲5.8)/2兆6195(▲5.4)/2兆4800(▲5.3)

 ※単位は億円。カッコ内は前期比増減率%、▲はマイナス、実質業務純益は単 体か傘下銀行合計、最終利益は連結