鈴木氏と井阪氏が握手、“ノーサイド”で波乱なく終了
セブン&アイ株主総会・詳報(5完)
セブン&アイホールディングスの井阪隆一社長(寺河内美奈撮影)
《株主からの質問が終わり、各議案の承認に移る。平成28年2月期の年間配当を1株あたり85円とする第1号議案、井阪氏らを取締役に選任する第2号議案、ストック・オプションとして新株予約権の無償発行と募集要項の決定を取締役会に委任する第3号議案が賛成多数で次々に承認された。承認された取締役が紹介され、最後に退任する鈴木敏文会長、村田紀敏社長、そして新社長に就任する井阪氏があいさつした》
村田氏 「本日をもってセブン&アイの取締役を退任する。10年間支援していただき感謝する。偉大な経営者である鈴木氏とともに退任できるのが一生の宝だ」
井阪氏 「まずどんな会社にしたいかというと創業の理念と原点に立ち返り、自由闊達で風通しのいい会社にしたい。変化への対応と絶対価値の追求を受け継いで大役を務めたい。精いっぱい頑張るので、よろしくお願い申し上げる」
《最後に鈴木氏が発言した》
「グループに入社したのは昭和38年。その時の売り上げは約40億で、5店舗だった。多くの方の支援を頂き成長してきた。今の売り上げは10兆円を超える規模。多大なご支援をいただいた。株主からイトーヨーカ堂や西武百貨店について懸念する声があった。しかし、徐々にいい方向に向かっていると確信している。何よりもこれから大きな問題はオムニチャネルにどれだけ今後の経営陣が力を入れるられるか。小売りとして日本ナンバー1、世界でもナンバー1に成長していく。今まで以上のご支援を頂きたい」
《村田氏に促されて、井阪氏と鈴木氏が難く握手。“ノーサイド”を演出して株主総会は終了した。時間は1時間52分(昨年は1時間28分)。出席者は1385人(同1984人)だった。
(終わり)
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