老舗喫茶店「アマンド」の課題は若者 「あまり知られていない」

 
今後の成長に向け「若年層の取り込みが欠かせない」と語るアマンドの茂田優社長=東京・六本木

 今年8月で創業70周年を迎える老舗喫茶店「アマンド」。アマンドのようなフルサービス式喫茶店はスターバックスコーヒーやドトールコーヒーといったセルフ式コーヒーチェーンの台頭で苦戦を強いられてきたが、ここにきてフルサービス式喫茶店が注目を浴びている。今年1月末にトップに就いた茂田優社長に喫茶店業界の現状や今後の成長戦略などについて聞いた。

 --足元の事業環境は

 「ゆっくりとコーヒーやスイーツを楽しみたいという利用者が増えており、喫茶店に入店してくれる環境は整いつつある。ただ、生存競争は厳しく、安閑としてはいられない。利用者は店員のサービスの良さ、店内の雰囲気など総合的なサービスを求めており、引き続きこうしたニーズに応えていく」

 --訪日外国人が増えている

 「外国人向けサービスを強化している。特に銀座店は来店客の約3割が中国人を中心とするアジアからの観光客だ。きめ細かいサービスを提供するため、銀座店では中国語ができるスタッフを3人採用した。また、中国語で書かれたメニューも用意したほか、外国人向けのメニューも提供している」

 --課題は

 「若年層の取り込みだ。老舗ブランドといわれるものの、顧客層の中心は50~70代。若者にはあまり知られていない。既存の人気メニューを維持しながら若い女性を意識したメニューも用意していきたい」

 --どんなメニューになるのか

 「まだ具体的に決まったものはないが、例えば食事のメニューでは野菜をふんだんに使ったパスタなどを提供していく。また、スイーツメニューも拡充し、新たな顧客層を取り込んでいく」

 --今後の成長戦略は

 「2012年3月にキーコーヒーグループに入ってから不採算店舗の閉鎖などのリストラに追われた。後ろ向きのリストラは終わり、これからは攻めに転じる」

 「その一つが焼き菓子や洋菓子の販売強化だ。もっとも焼き菓子や洋菓子はライバルが多く、拡販は口で言うほど簡単ではない。しかし強化できなければ成長はおぼつかない。現在、アマンドの定番スイーツ『リングシュー』などをお取り寄せで楽しめるような仕組みづくりに取り組んでいる。具体的には、オンラインを活用した販売システムを構築していく予定だ。もっとも実現には高いハードルが存在している。洋菓子は日持ちがしないためだ。物流面や生産・加工面などでクリアしなければならない課題はあるが、これを克服し、年内にもサービスを開始したい」(松元洋平)

【プロフィル】茂田優

 しげた・まさる 九州産業大商卒。1996年4月キーコーヒー入社。家庭用営業、経営企画広報を経て、2016年1月29日からアマンド社長。42歳。福岡県出身。

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【会社概要】アマンド

 ▽本社=東京都港区西新橋2-34-4 キーコーヒー本社別館2階

 ▽創業=1946年8月18日

 ▽資本金=1億円

 ▽従業員数=39人

 ▽店舗数=直営4店舗、FC1店舗