高級ビールバー、老舗親子丼店…にぎわいをみせる関空の飲食店

 

 関西の空の玄関口・関西国際空港。訪日外国人の急増で免税店など物販店の売り上げが伸びる一方で、飲食店も以前のにぎわいが戻ってきた。4月には高級ビールバー、5月下旬には老舗親子丼店もオープン。関空は4月から運営が完全民営化されたことで、今後も24時間型の店などが充実する計画で、魅力的な店の増加が期待される。(藤原直樹)

 出発前に乾杯

 関空の第1ターミナル2階に4月下旬、サッポロホールディングスの高級ビール「エビス」を提供する「エビスバー」がオープンした。

 和をテーマにした内装で、カウンターは5席のみだが、フードコートなどへのテイクアウトも可能。空港へのエビスバーの出店は国内初といい、「関空はゆっくりと本格的なお酒を飲める店が少ない」という利用者の声に応えた。

 通常のエビスに加え、黒エビスやハーフ&ハーフ、厳選されたクリスタル麦芽を使用した鮮やかな琥(こ)珀(はく)エビスなど数種類を用意。生ビールで提供し、価格は600~650円。

 エビスにオレンジジュースとグレナデン・シロップを加えた関空限定カクテル(650円)もある。

 食べ物は、3種類のパスタ(いずれも900円)や4種類のソーセージ(同500円)などがあり、出発前の一杯を楽しむ利用者も多い。新目博文店長は「エビスの外国人への認知度を高めていきたい」と話す。

 フードコート充実

 関空は短時間で飲食することが求められる空港の特性上、手軽に利用できるフードコートの人気が高い。

 26日には第1ターミナル2階のフードコートに、日本三大地鶏の一つ、名古屋コーチンを使用する明治33年創業の老舗親子丼店「鶏三和」が開店する。

 名古屋コーチンは弾力のある歯ごたえとコクのある上品な味わいが特徴。鶏三和の親子丼は、かつお節や煮干しからとったダシを使い、卵は絶妙なトロトロ感がある。価格は800~1000円程度。

 ほかにも、関空では特に外国人に人気の高い回転ずしやラーメン店、トンカツ店が次々に設置。昼食時などには行列もできる。関空の飲食店の売り上げは、ここ5年間で毎年平均15%の高い伸びをみせている。

 24時間型の店拡充

 にぎわいをみせる関空の飲食店だが、一度は“どん底”も経験している。

 平成22年には、世界の主要空港なら当然のようにあるファストフード店「マクドナルド」が撤退。当時の路線縮小で関空の利用者が減少を続け、人気チェーン店からも敬遠された。

 しかし、地道に改革に乗り出し、当時多かった洋食店を減らして和食店を増やし、短時間で飲食できる店を拡充。近年の訪日外国人の増加も重なり、飲食店は復活を成し遂げた。

 関空は今年4月からオリックスなど出資の関西エアポートによる運営が始まっている。関西エアポートは「楽しめる空港」を目指し、現在4店舗にとどまる24時間営業の飲食店を今後増やすなど、さらに充実させる方針だ。

 ターミナル営業担当の田部章寿執行役員は「関空に『出店したい』という依頼が多く寄せられている。利用者のニーズをくみ取り、魅力を高めていきたい」と話している。