「お家騒動」の大戸屋 経営陣と創業家が全面対立へ

 

 大戸屋ホールディングスの大株主の創業家が、取締役を大幅に刷新する会社側の人事案に反対表明した問題で、23日に開かれる株主総会では双方の対立が鮮明となりそうだ。定食店「大戸屋ごはん処」を一代で育て上げた三森久実会長の急逝から1年足らずで「お家騒動」に発展した。

 久実氏は昨年7月に57歳で死去した。創業家側は妻三枝子さん(62)と長男智仁氏(27)で、筆頭株主の久実氏から計18%超の株式を相続した。会社側は久実氏が社長に指名した窪田健一氏(45)と相談役兼最高顧問の河合直忠氏(71)が中枢を担っている。河合氏は主力取引銀行である三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)の元常務だ。

 対立は昨年11月、常務だった智仁氏ら2人の取締役への降格が発端。智仁氏は今年2月に取締役も辞任し会社を去った。専務から降格した取締役も退任予定で、株主総会に諮られる人事案は取締役候補11人のうち8人が新任という内容だ。

 智仁氏らの人事に関し会社側は「専務や常務の制度を廃止し、取締役という肩書に一本化しただけ」と意図的な降格との見方を否定する。だが創業家側は「久実氏側近を次々と追いやり創業理念が失われる」と訴える。

 人事案では、相談役兼最高顧問の河合氏が取締役に復帰する予定だ。創業家側はこれを認めず、智仁氏の復帰を求めて修正を迫っていた。

 新体制の狙いに関し会社側は「(久実氏時代の)ワンマン体制から企業統治などを強化した安定経営への改革だ」と主張する。創業家側は河合氏について「『主力行が(久実氏の)経営責任と取締役会の責任を問うてきている』と吹聴するなど混乱の元凶だ」と不信感を募らせている。

 創業家側は有力加盟店に働き掛けを始めるなど対抗策を進めており、攻防は長引きそうだ。