株主総会で「公的資金完済には株価上昇が必要」と話す新生銀・工藤社長 障害物はマイナス金利

 

 大手銀行で唯一公的資金の残る新生銀行の株主総会が22日、東京都内で開かれた。工藤英之社長は、公的資金注入で大株主となっている国(預金保険機構と整理回収機構)から完済への道筋を問われ、「公的資金は全額が普通株に転換されており、返済のために株価を上昇させる必要がある」と説明した。

 国は新生銀に対する公的資金の回収で5千億円の「確保目標額」を設定している。1506億円分は新生銀が返済済みで、残りは約3500億円。

 預保機構と整理機構の保有株式数で割ると1株当たり株価を745円に引き上げなければならないが、22日の終値は157円にとどまる。

 平成27年度末の不良債権比率は0.79%と他の大手行に見劣りしない水準まで低下したが、日銀の「マイナス金利政策」で収益悪化が懸念され、株価は伸び悩んだままだ。

 預保機構と整理機構の事前質問に対し、工藤社長は「収益力は向上したが、現在の株価水準には全く満足していない。個人向け無担保ローンなど強みを発揮していく」と抱負を述べた。