記者会見する全国銀行協会の国部毅会長=16日午後、東京都千代田区【拡大】
全国銀行協会の国部毅会長(三井住友銀行頭取)は16日の記者会見で、円相場が一時1ドル=103円台をつけたことに対し、「日本経済から乖離(かいり)した円高になっている。取引先企業の(為替レート)想定は1ドル=105~110円程度のため、この水準が続くと企業業績にも影響が出る」と懸念した。持ち株会社の三井住友フィナンシャルグループも10円の円高で最終利益が130億円程度吹き飛ぶという。
日銀が同日の金融政策決定会合で現行のマイナス金利政策を維持したことについては、「金利の下げ止まり感が出てくれば実体経済へのプラス効果も出てくる。日銀にはこうした観点を踏まえ、コミュニケーション面にも配慮いただきたい」と求め、突然のマイナス金利深掘りを牽制(けんせい)した。
三菱東京UFJ銀行が国債入札の特別資格の返上を財務省に伝えたことに関し、「三井住友銀行は総合的に判断し、今の時点で返上する考えは持っていない」と述べた。