株主が「縁故や情実人事が閉塞感生んだ」と批判 相川前社長を名指し

株主総会詳報・三菱自(2)
三菱自動車の株主総会の会場に入る株主ら=24日、千葉市美浜区中瀬の幕張メッセ(会田聡撮影)

 《開始から1時間弱が経過し、男性株主の質問から質疑応答が始まる》

 株主 「過去にリコール隠しで批判を受けたのに膿を出し切れず今日まできた。縁故入社や情実人事が社内の閉塞感を生んでいるのではないか。相川哲郎社長は(筆頭株主の)三菱重工業の元トップが父親だ」

 会場から拍手が起こる。担当役員2人が登壇して説明し終えると、益子修会長が切り出す。

 益子会長 「なぜ再発防止が十分にできなかったという問題は非常に重要な問題ですし、最大の関心事項だと思うので補足説明する。再発防止策をは報告したが、いかにやりきるかが課題だと認識している。違法性の認識が希薄で、技術的な裏付けがあれば許されるということが垣間見られるので教育することが必要だと思う」

 「縁故入社、情実人事があるのではないか、三菱グループの甘えがあると指摘があった。入社試験は厳正に行っているので縁故や情実はないが、襟を正していきたい。相川哲郎社長は実力から社長に任命した。開発だけでなく、営業などを経験して十分な経験を積み、実力があると判断してこれは情実ではないと申し上げたい」

 続いて女性株主がか細い声で質問を投げかける。

 株主 「説明では財務基盤は問題ないということだが、巨額の補償金の支払いが心配だ。また、燃費試験の信頼を勝ち取るために、外部機関に検査してもらってはいかがか」

 益子会長 「検査を外部に委託してはということも含め、日産から山下(光彦)さんを(副社長に)迎える。山下さんの考えを聞き、日産がどうやっているのかを参考にしながら考えていきたい。資金繰りは心配していない。補償はある時期に一気にお金が出ていくわけではない。生産や販売再開のスケジュールをみながら支払っていくので安心してほしい」

 男性株主の質問が続く。

 株主 「日産自動車と資本業務提携しても三菱自のカラーを残せるか。もう一つは販売店のつらさに胸が張り裂けそうだ。第一線で働く人の痛みを感じてほしい。また本当に車を理解している相川社長と中尾龍吾副社長が辞めるのは残念だ」

 益子会長 「相川、中尾に温かい言葉を頂きありがとうございます。最初の点について説明する。基本は経営の自主性を尊重することがベースだ。三菱自のブランドは維持し、販売では日産と競合する。提携は購買や車台の共通化など見えない部分で進める。電動車両や東南アジアなど強い部分を伸ばして三菱自らしい車をつくっていく」

 国内営業担当の役員が販売店の質問に対し、時折言葉を詰まらせながら答える。

 服部俊彦取締役 「販売店のつらさ、三菱自のメーカーとしての役割を感じてほしいというのは励ましとも受け止めています。わたしもこの問題の発生から土日も毎日販売店にも出向いた。販売店の方がは確かに辛いとおっしゃるが、われわれをしっかり守ってほしいという発言もしてもらった。過去に問題があったけどいっしょにやっていこうと激励を頂いた。本音は本当に生活が大丈夫なのかというのがあると思う。まずやるべきは再発防止にもあったが、実際の現場、お客さま販売店のみんながどれほど苦労したのかを社内に伝達する必要があるので、それをお約束し、安心して働けるような道筋を付けるためにも軽の販売を再開したい」

(続く)