「星のや東京」と新・赤プリが7月下旬に次々オープン 都心に高級ホテル
西武ホールディングスは19日、「赤プリ」の愛称で親しまれた旧グランドプリンスホテル赤坂跡地を再開発した高級ホテル「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」(東京都千代田区)を報道陣に公開した。東京のビジネス街では、星野リゾートが大手町に高級旅館「星のや東京」を20日に開業するほか、三井不動産も近隣に外資系ホテルの誘致を発表しており、激戦区の様相を呈している。
「世界規模で愛されるホテルを目指す」。プリンスホテルの武井久昌専務は27日の開業へ意気込む。
ザ・プリンスギャラリーの客室数は250と都内のプリンスホテルで最小規模ながら、米ホテル大手スターウッドの最高級カテゴリー「ラグジュアリーコレクション」に加盟。眺望を生かした吹き抜けロビーや天空に浮かぶような客室デザインなど「美術館のような雰囲気」(プリンスホテル)を味わえる。
星のや東京は地上17階・地下2階建ての“タワー型旅館”。星野佳路社長は「日本旅館が大都市、さらに海外でも通用することを証明する」と強調する。
日本旅館らしく宿泊客は玄関で靴を脱ぎ総畳敷きの「和の空間」でくつろぐ。旅館の代名詞ともいえる温泉も、地下1500メートルからくみ上げた。全84室で宿泊料は7万8000円からと高額だが、星野社長は「日本文化そのものを満喫できる」と勝算をにじませる。
三井不動産が大手町で建築中の複合施設に入居が決まったのは、ラグジュアリーホテルのフォーシーズンズで2020年の開業を目指す。予定客室数は約190で、レストランやスパ、プールなどを備える。
訪日外国人客の急増で、都市部を中心に宿泊施設が不足する中、好立地のビジネス街は高級ホテルでも高稼働率が期待できる。デベロッパー側も、高級ホテルの入居はビルのイメージ向上につながり、「外資系企業などをテナントに呼び込める余地が高まる」(不動産サービス会社ジョーンズ・ラング・ラサールの沢柳知彦マネージングディレクター)効果が期待され、今後も誘致が進むと見込まれる。
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