「プラズマクラスター」の結核感染リスク低減効果を実証 シャープが臨床試験

 
プラズマクラスターの結核予防効果の臨床試験で使われたイオン発生装置を披露するシャープの沖津雅浩常務(右)とジョージア国立結核病院のザザ・アヴァリアニ院長=8日、東京都港区(宇野貴文撮影)

 シャープは8日、プラスとマイナスのイオンを放出し、空気中の菌やウイルスを抑制する独自技術「プラズマクラスター」が、医療現場で結核菌に感染したり、薬剤が結核菌に効かなくなったりするリスクを防ぐ効果があることを臨床試験で実証したと発表した。プラズマクラスターの医療機器への応用も視野に入れ、結核の根絶に貢献するため研究を続ける考えだ。

 臨床試験は昨年5月から、ジョージア(グルジア)国立結核病院と共同で計243人を対象に実施。空間イオン濃度が1立方センチ当たり平均10万個になるよう、プラズマクラスター技術を使ったイオン発生装置を計140台を対象エリアとなる院内の病室や廊下に設置した。

 装置を設置したエリアでは、医師や看護師の結核菌感染のリスクが、設置していないエリアと比べて約75%低減。患者の結核菌が耐性を獲得し、薬剤が効かなくなるリスクは約78%減ったという。

 結核患者は2014年に全世界で約960万人発生し、このうち約150万人が死亡。日本でも約2万人の患者が発生、約2千人が死亡した。

 ジョージア国立結核病院臨床研究部門ディレクターのネスターニ・ツクヴァッヅェ氏は試験結果に「好感触を得た。世界レベルで調査範囲を広げるべきだ」と語った。

 シャープは、プラズマクラスターが気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎の原因とされるダニアレルゲンや、新型インフルエンザウイルスなどの作用を抑制する効果も実証しているが、まだ医療機器に応用したケースはないという。

 シャープの沖津雅浩常務は「医療機器として認証を得るかどうかについては、今後の検討課題だ」と述べた。

 研究の詳細は11月12日からタイ・バンコクで開催される「第21回アジア太平洋呼吸器学会」で発表される。