働き方改革、首都圏で大実験 日立系、サテライトオフィス20カ所開設
日立製作所グループのITサービス会社の日立ソリューションズ(東京都品川区)が働き方改革の大規模実証実験に乗り出したことが12日、分かった。東京近郊に約20カ所のサテライトオフィスを開設し、本社に出社しなくても同オフィスを使って自宅近辺や出先の事業所などで業務を行える勤務形態を導入した。この成果を検証し、自社で多様な働き方に対応すると同時に、来年度をめどにサテライトオフィス利用の支援事業への参入を目指す。
サテライトオフィスは、専門の運営事業者のサービスや自社の事業所を利用し、東京都や神奈川県などに設置した。まず営業担当者やエンジニア、育児や介護を抱える社員ら約350人の希望者が順次、新たな働き方の取り組みを始めた。約2カ月にわたって実証実験し、課題や成果を検証する。運営ノウハウを蓄積して社内での利用を拡大するとともに事業化を検討する。
事業化については、サテライトオフィスの運営事業者と連携し、高速通信など環境整備の提案や、インターネット上のサーバーやデータベースを利用できるクラウドやセキュリティー対策など、オフィス仕様の高度化に対応したコンサルティングサービスを想定している。
サテライトオフィスは本社の周辺に衛星(サテライト)のように配置した小規模事業所。通信環境を整備すれば会社と同様に仕事ができるため、移動時間短縮による生産性向上や、多様な人材活用といった効果が期待される。会議スペースやオフィス仕様の複合機を設営するなど、在宅勤務よりチーム作業に向くとされる。
1980年代に都心の不動産価格の高騰を背景にサテライトオフィスの設置が相次いだが、定着しなかった。近年はクラウドの普及などIT環境の整備もあって再び注目されている。
政府が働き方改革を掲げる中、勤務形態の多様化に取り組む企業は増えており、東急電鉄は5月に複数企業の社員が共用する「サテライトシェアオフィス事業」を開始。東急沿線の直営5店舗、提携25店舗をワークライフバランスを目的に社員にも開放した。富士ゼロックスも営業担当向けに、首都圏に10カ所のサテライトオフィスを設置している。「顧客訪問件数が対前年比で65%増えたチームもある」という。
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