JR西が「小浜・京都」改めて推す 北陸新幹線ルート案、与党会合で

 

 JR西日本の来島達夫社長は24日、与党の会合で、北陸新幹線で未着工となっている福井県・敦賀以西のルート案について「(福井県・小浜から南下する)小浜京都ルートが一番望ましい」との考えをあらためて表明した。会合後は記者団に「小浜京都は時間と距離が最短だ。速達性というのが利用者の気持ちだと思う」と語った。営業主体となるJR西日本のトップが小浜京都ルートの優位性を主張したことで今後の議論に影響しそうだ。

 来島社長は、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の検討委員会に出席した。残りの2案に関し、滋賀県・米原で東海道新幹線に乗り換える米原ルートは「お客様に不便をかける」と指摘。京都府・舞鶴を経由する「小浜舞鶴ルート」は「距離や時間が長くなる」と述べ、いずれも否定的な見解を示した。

 検討委は来月上旬まで滋賀県や京都府など沿線自治体からの意見聴取を続ける。上部組織の与党PTは年内に3案からのルート選定を目指している。

 国土交通省の試算によると、小浜京都ルートは、検討対象の3案の中で敦賀-新大阪の所要時間が43分と最も短く、想定される料金も最も安かった。建設費は2兆円を上回るが、費用対効果を示す数値も投資に見合う1以上の1・1だった。