
記者会見するJR北海道の小山俊幸常務=4日午後、札幌市【拡大】
JR北海道が4日発表した平成28年9月中間期の連結売上高は前年同期比0.8%増の857億円で、中間期としては3年ぶりの増収だった。3月開業した北海道新幹線の押し上げ効果は36億円だった。一方、本業のもうけを示す営業損益は126億円の赤字。8~9月の台風10号による路線寸断などの被害が響き、赤字額は20億円膨らんだ。最終利益は97.9%減の2億円で、厳しい経営が続いている。
通期の最終損益は120億円の赤字を見込む。災害復旧費を織り込み、期初の予想から70億円下方修正した。
台風被害で寸断が続いている石勝線・根室線(トマム-芽室間)は年内の復旧を目指す。島田修社長は「安全の再生と台風被害箇所の復旧に最優先で取り組む」とコメントした。
同時に発表した27年度の線区別の収支状況は、全25線区が赤字。営業係数(100円稼ぐのに要した費用)のワーストは、12月4日に廃止する留萌線(留萌-増毛間約17キロ)の2538円。札沼線(医療大学~新十津川間約48キロ)の2213円が続いた。
同社は単独で維持が難しい路線を月内にも公表し、バス輸送への転換などについて沿線自治体との協議を始める。