DeNA社長が謝罪会見 成長戦略に逆風 IT業界のずさんなメディア運営浮き彫り

 
会見で謝罪したDeNAの守安功社長(中央)、南場智子会長(右)ら=7日、東京都渋谷区

 ファッションや食、健康など関心が高いテーマごとに短くまとめられた「キュレーションサイト」と呼ばれる情報サイトが逆風にさらされている。記事の無断転用を促すなど不適切な運営が発覚し、全ての情報サイトを休止したディー・エヌ・エー(DeNA)の守安功社長は7日、問題発覚後に初めて記者会見し謝罪。サイバーエージェントやヤフーなど他のIT大手も無断転用や内容が誤っている恐れがあるとして情報サイトの記事を相次いで公開中止にしている。

 「サービスの成長を追い求める過程で正しく、信頼できる情報を提供することを担保できていなかった」。DeNAの守安社長はこの日の会見でこう述べ、信頼回復に全力を挙げる姿勢を示した。

 会見には創業者の南場智子会長も出席し、守安社長らとともに頭を下げた。南場会長は「経営者として不覚だったと愕然(がくぜん)としている」と話した。

 DeNAは医療情報の「WELQ(ウェルク)」など10種類の情報サイトを休止。第三者による調査委員会を設置し原因を解明する方針だ。誤った情報で健康被害が発生した人らから相談を受け付ける窓口を設けることも明らかにした。

 DeNAにとって情報サイト事業は、主力のゲーム事業が伸び悩む中で早期の黒字化が見込める期待の事業だっただけに、成長戦略の修正を余儀なくされる可能性もある。

 キュレーションサイトは、登録した利用者や、運営側が依頼した外部ライターが記事を書くケースが多く、手軽に情報を得られるため人気となっていた。

 DeNAで問題が相次ぎ視線が厳しくなっていることを受け、サイバーエージェントは1日から、情報サイト「Spotlight(スポットライト)」の医療関連の記事で、内容の正確性を確認できないものの公開を一律で取りやめた。全体の数%に当たるという。リクルートライフスタイル(東京)も同日から、「ギャザリー」の健康関連記事を中心に全体の4分の1に当たる約1万6000の記事の公開を中止した。

 ヤフーは10月、女性向けファッションを扱う「TRILL(トリル)」の記事の画像に、他サイトから無断転用があったとして、外部ライターに依頼した独自記事は全て削除した。「NAVERまとめ」を運営するLINE(ライン)は、サイトに問題は見つかっていないとの立場だが、投稿者の経歴を審査する方針を打ち出した。IT業界のずさんなメディア運営が浮き彫りとなっている。