MRJは「想定外の費用がかかっている。もっとかかる」 三菱重工・宮永俊一社長に聞く

 
米国で飛行訓練に入っているMRJ=9月28日、米西部ワシントン州(共同)

 --MRJの開発状況は。

 「飛行機自体はかなりできているが、何が難しいのかをよく理解して効果的な手を打たないといけない。想定外の費用がかかっている。もっとかかると思う」

 --納期は遅れるのか。

 「この間延期したところから、それが守れるという状況にはまだない。型式証明を完全に取るにはどれぐらいかかるか読みづらい状態だ」

 --ANAホールディングスには遅れそうだと伝えたのか。

 「遅れる可能性は十分あり得るが、内容的にはこういうことだと(伝えた)。具体的には言えないが、どういう課題があり、どういう対応をしているか説明している」

 --課題は商用化に障害となるか。

 「安全性を科学的に証明するための手続きが従来に比べはるかに難しくなっている。飛ぶことには全然問題がない状態で、あとは証明上の問題と、テストの中で新しく対応すべき事案が出てくるかどうかだ」(共同)

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 MRJの初納入は5度目の延期となる見通しになった。旅客機は高い安全性が求められるが、証明するための試験に要する時間が想定を超え、難航。三菱重工業の宮永俊一社長も「簡単ではない」と明かす。

 機体を販売するため取得が不可欠な国の安全性認証は、審査が約400項目に上る。クリアするためには、計2500時間必要とされる飛行試験を進めながら、問題点を改善していかなければならない。

 開発を進める三菱重工の子会社、三菱航空機は試験機の初飛行に成功した後の昨年12月、主翼の付け根部分の強度が基準に達していなかったと発表。MRJは今年8月にも、主要な試験拠点とする米国へ機体を飛行させる途中に空調システムの不具合で引き返すなど、不測の事態が相次いでいた。国産旅客機の開発は半世紀ぶり。経済界からは「安全第一」の慎重な姿勢に理解を示す声もある。ただ多くの部品メーカーからは、新規分野に参入できるとして、MRJの早期量産化への期待が大きい。(共同)