企業トップは年頭に何を思う? 電通「改めるべきは改める」 東電「再編・統合目指す」
多くの企業が4日、仕事始めを迎えた。昨年問題になった企業では、反省や再生にかける思いがトップの訓示で示された。また、多くのトップは欧米の政治情勢の行方が見通せないとして、景気の「不確実性」に触れたほか、「働き方改革」に関する発言も目立ったのが特徴だ。
女性新入社員が過労自殺し、労働基準法違反容疑で書類送検された電通では、辞任を表明した石井直社長が「一連の問題は内在する課題から生じたことを真摯に反省し、改めるべきは抜本的に改める」と述べ、改革の必要性を強調した。
福島第1原発の事故処理費用が22兆円に膨らむとの試算が示され、今年春までに再建計画を見直すことになった東京電力ホールディングス(HD)では、数土文夫会長が東京本社で幹部らを前に「経営改革の新たなステージを踏み出す記憶すべき年だ。若い力を中心に他電力会社と共同事業体を設立し、再編・統合を目指す」と述べた。
台湾の鴻海精密工業の傘下となった経営再建中のシャープでは、戴正呉社長が「早期の黒字化と東京証券取引所1部への早期復帰を目指す」と改めて表明し、経営再建を加速させる考えを示した。
一方、三菱商事の垣内威彦社長は「トランプ米新政権の具体的な政策を見極める」と発言。伊藤忠商事の岡藤正広社長も「今のドル高、株価高騰が続くか予断を許さない」との見方を示し、キヤノンの御手洗冨士夫会長は「不確実性の高い年になる」と述べた。
逆に、リコーの三浦善司社長は「不確実性の中で、世界の変化のスピードよりも速く自ら変革し、チャレンジし続けることが欠かせない」と訴えた。
働き方改革に関する発言もあった。日立製作所の東原敏昭社長は「強い決意で取り組む」と表明。KDDIの田中孝司社長は「一人一人の生産性や業務プロセスの改善に努め、ライフデザイン企業へ変革する」と述べた。
また、英半導体設計大手アームHDを買収したソフトバンクグループの孫正義社長は、IoT(モノのインターネット)やビッグデータの加速度的な拡大で「パラダイムシフトが加速する」と予測した。ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は「人工知能(AI)を超える仕事、人間にしかできない仕事をやる時代になっていく」と従業員に呼びかけた。
関連記事