
主要企業アンケート、国内景気の見通し【拡大】
主要企業122社へのアンケートで、2017年の国内景気見通しについて「拡大」「やや拡大」とする回答が6割強に上り、景気は拡大傾向との見方が過半を占めた。ただ、15、16年の同時期の調査はそれぞれ計8割強の企業が拡大を見込んでおり、全体の景況感には減速の兆しもある。回答からはトランプ次期米大統領の政策手腕や中国の経済減速に対する不安が垣間見えた。
17年の景気は「拡大」が4%、「やや拡大」が58%、「横ばい」が35%、「やや後退」が3%だった。1年前の調査に比べて「やや拡大」が20ポイント減り、「横ばい」が18ポイント増えた。16年11月以降、トランプ次期米政権への期待感による「トランプ相場」で平均株価も持ち直したが、17年の景況感には不安と期待が入り交じっている。
景気拡大と回答した理由では「トランプ新政権下の米国景気が財政出動で上振れる」(銀行)との期待や「円安の進行に伴う企業業績の回復」(運輸)とする声があった。また、「世界経済の回復で輸出と設備投資の増加が見込まれる」(化学)との回答もあった。
一方、景気低迷を想定する理由としては「トランプ新政権の政策不透明感」(電機)に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年12月に利上げを決め、投資家が新興国から投資マネーを引き揚げ、米国に振り向けることに対する懸念などもあがった。「中国、新興国の大幅な経済減速」(証券)、「海外経済の先行き不透明感」(建設)を不安要素とする企業も多い。このほか「独や仏の国政選挙の行方次第で市場の混乱や悪化を招きかねない」(銀行)との意見もあった。