ソフトバンク社長・宮内謙さん(67)

2017 成長への展望

 ■無理強いせず好かれる会社に

 --ワイモバイルは好調に契約を伸ばしている。ソフトバンクとワイモバイルの差別化をどう図るか

 「ソフトバンクは大容量で(速度制限など)ストレスを感じない料金プランを提供してどんどん使ってもらう。(大容量プランの)ギガモンスターは新規契約者の5割近くまで来ている。ワイモバイルは、やはりコストに敏感で、別にiPhoneの最新版でなくてもアンドロイドの低価格端末で良いという人には、非常に喜ばれている」

 --ワイモバイルからソフトバンクへ乗り換えを促す考えは

 「検討していきたいと思っている。ワイモバイルを小学校の間に安く使ってもらって、中学生になったら、中学生のシェアが高いiPhoneを使うためにソフトバンクにうまくパススルー(つなぐことが)できる何か方法を考えたい」

 --販売店の販売方法に苦情が多いといわれるが

 「ソフトバンクはセールス力が強すぎて嫌われていたので、今は一切、お客に無理強いしない。レ点商法(契約時のサービス追加)もやらない。長い目で見たら良くないことをしていたが、昨年6月から無理強いしないことを徹底して4、5カ月かかった。ただ単に契約を取っただけではだめ。過去は数を追っていた。副商材までがんがん売っていたが、本当に必要なものを提供するようにする。そうすると『好かれるソフトバンク』になっていくのでは」

 --携帯会社の販売店の役割が多様化している

 「KDDIは水や保険などを売っているが、うちは一切やらない。EC(ネット通販)を販売店で利用できるように、スマホの使い方のアドバイザーがECのアドバイスもするようにしたい。東京のディスカウントストアの値段で地方の人が買えると、まさに(経営理念の)『情報革命で人々を幸せに』だと思う」

 --ソフトバンクグループ副社長として、長年、孫正義社長を支えてきたが、今後の動向をどうみるか

 「こんなに長いことこの会社にいるのは、『孫さんの素晴らしいアイデアやビジョンは他の人には出せないだろう』と思ったからだ。パソコンやブロードバンド、携帯電話と、パラダイムシフトが起こる度に疾風怒濤(しっぷうどとう)のごとく次々と進んできた。残された仕事はいつも僕がやってきた。国内通信事業を任されて2年だが、実質的には5、6年やってきたようなものだ。孫さんはすぐに(次の分野に)旅に出るのでもう慣れている。酉年の今年も、また羽ばたくのではないか」

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【プロフィル】宮内謙

 みやうち・けん 京都府立大卒。1977年日本能率協会入職。84年日本ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)入社。88年同社取締役などを経て、2015年4月より現職。