積水化学工業社長・高下貞二さん(63)

2017 成長への展望

 ■70周年の節目 投資・改革で転換期に

 --現行の中期3カ年経営計画が3月で終了する

 「2020年代の後半には売上高2兆円、営業利益2000億円へと業績を倍増させるという大きな長期ビジョンを掲げている。それに向けての第一歩が17年度からスタートする新中期経営計画だ。現行の計画は為替の影響などで売上高の目標達成は難しいが、しっかりと仕上げて16年度を最高益更新で締めくくり、次につなげていきたい」

 --17年は創立70周年という節目の年でもある

 「1997年に消費税が3%から5%に引き上げられたが、住宅受注の反動減によって一気に業績が悪化し98年度から4期連続で最終赤字となった。それから一つの節目である20年が経過した。この期間中、どのように事業構造の改革を断行し、業績の大幅な改善を果たしていったのかについて、検証することが必要だ。成長投資と飽くなき改革も引き続き進め『2017年度は転換期だったな』といえるような年にしたい」

 --大きく3つの領域に分けて事業を展開しているが、高機能プラスチック事業の見通しは

 「16年度はIT不況や急激な円高、中国経済の減速など逆風に見舞われた。それにもかかわらず販売数量を伸ばしており、底は脱したような感じがする。用途別にみると、自動車ガラスの中間膜が非常に好調で収益にさらに大きく貢献していくだろう。問題はエレクトロニクス分野。次期中期経営計画の課題となるが、液晶ディスプレー関連の一本足打法なので、新製品をどんどんつくっていかなければならない」

 --他の主力事業の課題は

 「環境・ライフラインは構造改革の効果が出てきたので成長に軸足を移す。グローバルベースで拡大、成長、基盤、改革という4つのポートフォリオに分けてそれぞれ製品別の利益管理をしながら対応を進めていく。新興国のインフラは劣悪で、貢献する余地は大きい。売り上げ増に向けてM&A(企業の合併・買収)を含めて取り組んでいく。住宅の事業環境は歴史的なマイナス金利や株価上昇で、そんなに悪くはない。スマートハウスナンバーワン戦略の推進に力を入れる」

 --新中期経営計画は、どのように進めていくのか

 「白紙から始めるという気概を持つことが重要。過去の成功にすがっていたら大きな挑戦は難しい。最高益を更新した今だからこそ、足元を固めながら一歩ずつ進んでいく。市況や世界経済の不透明感などのせいにすることは、一切認めない」

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【プロフィル】高下貞二

 こうげ・ていじ 同志社大経卒。1976年積水化学工業入社。2005年取締役名古屋セキスイハイム社長。同住宅カンパニープレジデント、同常務執行役員、同専務執行役員を経て、15年3月から現職。岡山県出身。