三菱地所社長・杉山博孝さん(67)

2017成長への展望

 ■20年には海外事業比率を2割に拡大

 --今年は丸ビル(丸の内ビルディング)が完成して15年、新丸ビルが10年という節目を迎える

 「丸ビルができるまで、丸の内は働く場所という位置づけで土日には人気もないし、会社に来ても食事もままならなかった。三菱ビル(1973年完成)から再開発がなかった間に、人が街に求めるものが変わったが、そこになかなか応えられず、ある新聞には『丸の内の黄昏』とも書かれた。丸ビルは今までにない新しい丸の内にしたいという思いが込められた。今ではオフィスだけではなく商業や文化施設なども増えた」

 --ビジネス拠点としてはどう変わったか

 「この街から新しいビジネス、イノベーションが起きるような仕掛けをしてきた。海外の成長企業や国内のベンチャー企業のビジネスを支援する『グローバルビジネスハブ東京』や『エッグジャパン』として発展し、国内だけでなく海外からも新たなビジネスを求めて人が集う場所になった。大手町は金融の街だが、IT企業が入ることでフィンテックの流れも出ている。将来に向けて楽しみだ」

 --今後も丸の内や大手町を中心にしていくのか

 「丸の内が基幹だが、支店エリアも街を更新する時期に来ている。どう新しい街にするか悩んでいる地方の手伝いをしたい。地方は単体で大型のビルはなく、快適なオフィス環境を求めるなら、集団をまとめた再開発はできないかという話になる。そこは得意にしているので、相談があれば力を貸したい」

 --訪日外国人旅行客が増えているが、彼らにとって丸の内をどんな街としてアピールするか

 「訪日客もリピーターが増え、モノ消費よりもコト消費を楽しんでいる。きれいで過ごしやすい街として楽しんでもらう。その上で、買い物も食事も楽しむという流れが顕著だ。東京五輪・パラリンピックの2020年では東京駅前の広場も完成しているし、多くの方が来ると思う。今でも着物を借りて街を楽しむ方もいるので、ソフト面でもいろんな取り組みが考えられるのではないか」

 --海外事業の戦略は

 「20年くらいには営業利益に占める海外事業の比率を2割にしたい。今は約13%。全体ではまだ欧米が大きいが、アジアでもベースを作る。三菱地所の街づくりを魅力に感じて、アジアで開発を計画しているところから、お声がかかるようにもなってきた。タウンマネジメントやビルマネジメントの部分は相当程度、輸出できるのではないかと感じている」

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【プロフィル】杉山博孝

 すぎやま・ひろたか 一橋大経卒。1974年三菱地所入社。企画本部グループ企画部長、常務執行役員、専務執行役員などを経て2011年4月から現職。東京都出身。