経団連、経営側の春闘方針を発表 好業績企業に年収ベースで4年連続の賃上げ求める
経団連は、平成29年春闘に向けた経営側方針である「経営労働政策特別委員会報告」を発表した。「収益改善や中期的なトレンドとして収益体質が改善している企業に対し、4年連続の年収ベースの賃金引き上げ」を求めた。従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)については、昨年までは「選択肢の1つ」としていたが、安倍晋三首相からのベア要請に応える形で、賞与・一時金などと並んで、賃金引き上げの方法の「柱」と位置づけた。
経労委報告で、景気の認識について、上場企業の28年度の中間決算では、一部減益の動きがみられたとしたものの、11月以降、大きく円安に転じ、29年度にかけて輸出企業・製造業を中心に収益拡大の動きが広がる」としている。
賃上げについては経済の好循環を力強く回すという「社会的要請」を重視するとして、年収ベースでの4年連続の賃金引き上げを求めた。引き上げの方法としては、「定期昇給などの制度昇給、ベア、賞与・一時金の増額、諸手当の見直しが柱」としている。
また、安倍首相から要請のあった「期待物価上昇率」については、定義が不明確として「付加的要素として予想物価上昇率を議論の対象にすることも考慮」することを盛り込んだ。
その一方、過去3年連続での賃上げ実現にも関わらず、将来不安が根強くあり、個人消費は力強さを欠いている問題点にも言及。その上で、安倍政権に対し、「国民の痛みを伴うものであっても、持続的な社会保障制度の確立に向けたの改革」や給付型奨学金制度拡充などの教育費の負担軽減策、景気刺激策などで、経労委報告としては政府に初めて対応を求めた。
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